現実逃避から
憧れの仲居さんとなり、
癌サバイバーの彼と
出会った事ががきっかけで
介護士になるまでの実話。
【介護士になったきっかけ】
私の実体験を5話にしました。
少し重い話になりますので
あえて、「なのなのな」さんの
コミカルなイラスト作品を
使わせていただいております。
今から7年ほど前、
自分を取り巻くすべての環境に
辟易していた頃でした。
仕事も人間関係もうまくいかず
貯金も0。
アパートの家賃はお給料の1/3を占め
生活に全く余裕がありません。
私にお金の余裕がない事は
両親も気づいており、
私の方から頼み込んで
実家での同居生活を始めました。
同居するにあたり
母からの条件は、
「この家に入った以上は
この家を守ってもらわないと困るからね。」
・・・
約束できない条件でしたが
「分かったよ・・・」と
苦しまぎれの返事をしたんです。
私は、幼い頃から父親っ子で
父を尊敬し、とても慕っていました。
母の事は嫌いではありませんが
相性があまり良くないんです。
父親が、私と母との良いクッション材となり
しばらくは平和な日々が続きました。
ところがある日、
母が友人たちと旅行に出かけ
父と2人での夕食時の事です。
つまみを作り
父と二人、お酒を飲んでいた時の事。
何がきっかけで
どんな会話をしたのかよく覚えていませんが
「お父さんがそんな人だとは思わなかった!」
こんな言葉を言い放った事だけは
ハッキリ覚えています。
父は父で、
「もう2度とアイツとは一緒に酒は飲まない。」と
母に言ったようでした。
私と父は、性格がよく似ています。
何か言いたいことがあっても
心にためてしまうタイプです。
おそらくこの時、
お互いにお酒の力を借り
本音をぶつけてしまった。
たまっていた感情が
一気に爆発してしまったんだ。
と、想像しています。
それからの暮らしは
会話も一気にへり、
ギクシャクとした日々が続きました。
休日は家で過ごす事もなく
あてもなくアチコチふらふらし、
自分の居場所がない。
そんな時、
行き当たりばったり出かけた
伊豆の温泉旅館で
素敵な仲居さんに出会ったんです。
この時の出会いが、
伊豆への現実逃避と
介護士になるきっかけに
なっていきました。
温泉旅館に勤める
癌サバイバーの彼と出会い、
後先も顧みず、
あれほどいけないと思っていた
借金をしてまで
彼のお尻を追いかけてしまった・・・
自分の起こした行動は
全てが自分のエゴだった事を
彼との別れを持って
知る事になりました。
また、後から分かった事ですが
あの時の大げんかが、
父親の認知症の始まりでした。
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