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父との大げんかから土肥温泉へ──西伊豆で始まった私の再出発

西伊豆・土肥温泉の夕日と海。人生の再出発を象徴する風景 ばぁばちゃんの人生アルバム

遠くへ行きたい!誰も私のことを知らない土地へ

介護施設の厨房で味わった失望、
父との思わぬ衝突や母への嫌悪感を抱えたまま、
あの日は西伊豆の海を眺めていました。

思いがけず宿泊することになった温泉旅館との出会いがきっかけで、
私はその旅館に勤めることになります。

前回の記事はこちらからお読みいただけます。

父との大げんか、そして決断

家を出るきっかけは、大好きだった父との大げんかでした。

母とはもともと衝突が多く心にしこりを抱えていましたが、決定的だったのは父とのぶつかり合い。

「どうして分かってくれないの」

胸の奥からあふれ出した思いが、抑えきれなくなってしまったのです。

私と母を取り持つ、父との関係が悪くなり

私は居場所を失ったような気持ちになりました。

ただただ遠くへ遠くへ逃げたかった

着の身着のままハンドルを握り、清水港から駿河湾フェリーで土肥へ渡りました。

迎えてくれた土肥の空は、清水を出発した時とは違い、どんより曇っていました。

土肥で感じた温もり

土肥で見つけたお宿に一泊した時、なにか魅かれるものを感じました。

仲居さんの細やかな接客が、ひとりで張りつめていた私の気持ちをほぐしてくれたのです。

「こんな人と一緒に働けたら」──ありえない空想を巡らせながら一夜を過ごしました。

運命の職場との出会い

帰宅後もしばらく悶々とした日々が続きました。

貯金も減る一方で、一日も早く実家を離れたくて住み込みの仕事を探し始めました。

そんなある日、先日泊まった旅館の求人募集を見つけたのです。

「あの旅館だ!これだ!」
そう思うと行動は早く、1週間後には面接のため再び土肥を訪れていました。

仲居さんとの再会と採用

西伊豆土肥温泉のホテルが立ち並ぶ景色

おかみさんと仲居頭との三者面接。

そこで知ったのは、あの時の仲居さんが仲居頭だったことでした。

険しい表情のおかみさんに

「ここはあなたのような人が来る場所ではありません」と言われ、困惑しました。

それでも仲居頭のお姉さんが口添えしてくださり、なんとか「採用」が決まったのです。

「良かったわね。一緒に頑張りましょ!」

その言葉がどれほど心強かったか。

帰路で見た土肥の夕日は、本当に美しかったです。

父の言葉がくれた勇気

夕暮れの土肥港を出発する駿河湾フェリー

勢いのまま土肥行きを決めてしまった私。

案の定、母は猛反対しました。

それでも最後に私の気持ちを尊重してくれたのは父でした。

「行かせてやれ。自分の人生なんだから」

その言葉がなければ、私は一歩を踏み出せなかったと思います。

後になって知ったことですが、この頃の父にはすでに認知症の兆しがありました。

それでもなお、娘を理解し、背中を押してくれた──父の姿を思うたび、胸が熱くなります。

土肥で始まった暮らし

土肥港の南防波堤

新しい生活は決して楽ではありませんでした。

海風が強く、寮内には砂が入り込む。

小さな愛車は海岸端の駐車場に停めるしかなく、台風が来ると呑み込まれそうでした。

買い物もひと苦労で、時には峠を越えて隣町まで出向くことも。

袋入りラーメンを茹でる様子

一人きりの台所で袋ラーメンを煮ながら

「本当にこれでよかったのだろうか」と自問自答する夜もありました。

それでも両親との約束で月に一度帰省するうちに、

あれほど鬱陶しいと思っていた母にも優しくなれました。

まさに「故郷は遠きにありて思うもの」という言葉を実感していました。

厳しい暮らしでしたが、実家に戻りたいと思ったことは一度もありませんでした。

父に導かれた再出発

土肥港を出発する駿河湾フェリーを見送る夕暮れ

伊豆での暮らしは、逃げるためだけのものではありませんでした。

父と大げんかをしたこと。
そして最後に「行きなさい」と理解してくれたこと。

その二つがあったからこそ、私は再出発の地に立つことができました。

父の存在は、私の人生の痛みでもあり、支えでもあります

伊豆での不自由な暮らしを振り返るたび、今も父と共に歩んでいるような気がします。

次回は「土肥温泉で始まった仲居生活と、支えてくれた人々との出会い」をお届けします。

今日の縁側便り

土肥港の夕暮れ

大切な人とぶつかることは苦しいけれど、そこから生まれる理解は一生の支えになります。

その後の私は、土肥を離れ、伊豆の国市、藤枝市と住まいを転々としました。

どこに移り住んでも「自分の居場所」を探していたように思います。

そして実家に戻った今でも、やはりその旅は続いているのです。

……人は誰でも、自分だけの「居場所」を探しているのかもしれません。

私にとっては、それが土肥温泉の旅館との出会いでした。

もし今の暮らしに少し疲れたら、海を見ながらゆっくりできる旅へ出てみませんか。

いつも、お話を聞いてくださりありがとうございます。

心の中のお店を、ばぁばちゃんはいつも、そっと開けています。

それではまた――お茶をいれて、お待ちしております。

おかえりなさい。

私が何か新しい事を始めてみたいともがいていた頃、千聖の隠れ家メルマガに出会った事がきっかけで、大きな勇気をもらい、温かい言葉に救われました。よかったら、あなたも一度訪ねてみられたらいいと思います。

「ばぁばちゃんの台所カフェ」より

私は今、好きな事を仕事にする生き方を、未来型*夢の降る道で学んでいます。

大人のための寺子屋みたいなイメージです。

この場所では、山籠もり仙人と呼ばれる、おもしろくて個性豊かな竹川さんと、

私の暗く閉ざされた心を、少しづつ丁寧にほぐしてくださった千聖さんに出会う事ができます。

あなたもコッソリのぞいてみませんか?

未来型*夢の降る道 好きな事を仕事にする生き方 ~*60代からの習い事*~

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