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モクレンの花が咲く頃、思い出す人― 菜の花畑と、あの春の記憶 ―

人生アルバム

春になると、白いモクレンの花が空に向かって咲き始めます。
その花を見るたびに、私はある人のことを思い出します。

もう二十年も前のことなのに、
モクレンの季節になると、
あの春の日の景色が昨日のことのようによみがえります。

大きな花びらが風に揺れて、
どこか儚さを感じさせるモクレンの花。
上品で甘い香りが、春の訪れを知らせてくれます。

子育てに追われていたあの頃

あの頃、私は母子家庭で子育ての真っ最中でした。
毎日が必死で、振り返る余裕もないような日々。

そんな時に出会ったのが、彼でした。

彼は九歳年上。

橋を架ける仕事の現場監督さん。

重機を操縦していた時、山の斜面からの転落事故で少し不自由な身体でしたが、底抜けに明るく冗談が大好き。

何があってもデンとかまえた、
大きな岩のような人でした。

子供たちを褒めてくれた言葉

初めて子供たちを彼に紹介したときのことを、今でも覚えています。

「この子供たちを見れば、お前が苦労して育てたことが分かるよ。
 頑張っていたんだな。」

そう言ってくれました。

その一言で、
今までの苦労がすべて報われたような気がしました。

母親にとって、
自分の子供を褒めてもらえることほど、
嬉しいことはありません。

そして彼は、
忙しい毎日の中で忘れかけていた
女性としての喜びや自信を
そっと思い出させてくれた人でもありました。

菜の花畑で撮った一枚の写真

ある春の日、
私たちは休日にドライブに出かけました。

伊良湖方面へ向かう道の途中、
通りすがりに大きな菜の花畑を見つけました。

一面に広がる黄色い花。

その時、近くにいたカップルにお願いして、
二人で並んだ写真を撮ってもらいました。

菜の花に囲まれて、
二人で並んで笑っている、
あの春の写真です。

それぞれの場所へ

それから間もなく、彼は仕事の都合で
故郷の岡山へ帰ることになりました。

私は浜松。
彼は岡山県の備前市。

簡単に会える距離ではありませんでした。

それでも、電話やメールでのやり取りは続いていました。

けれど、
いつしか彼の電話がつながらなくなりました。

それからは、
彼のことを知る手立てがありません。

今も元気でいるのか。
それとも……。

私には分かりません。

今も残る春の思い出

私の部屋には、
今もあの頃の写真が残っています。

菜の花畑の中で、
二人で並んで微笑んでいる写真です。

ふとした時に、
時々その写真を眺めます。

岡山弁が今にも聴こえてきそうです。

九歳年上だった彼の年齢を、
いつの間にか私は越えてしまいました。

気がつけば、あれから二十年近くの月日が流れました。

それでも春になると、
モクレンの花を見るたびに思い出します。

もしかしたら、
街のどこかで

「ただいま」

なんて言いながら
ひょっこり現れるんじゃないかと
思ってしまうことがあります。

小さな喜びと、
どこか切ない気持ちを抱えながら、
今年もまた春を迎えています。

モクレンの花言葉は
「希望」と「再生」。

遠いどこかで、
あの人も春を迎えているのかもしれません。

春のモクレンを見るたび、
心の中でそっとつぶやきます。

「お元気ですか?」

もしかしたら、遠いどこかで
同じ春の空を見上げているかもしれません。

今日の縁側便り

春になると、いろいろな思い出がふっとよみがえります。

花の香りや、やわらかな風、
ふと目にした景色が、遠い日の記憶を連れてくることがあります。

モクレンの花を見ると、
あの頃の春の空や、菜の花畑の黄色い景色を思い出します。

人生には、長く一緒に過ごした人だけでなく、
短い時間でも心に残る出会いがありますね。

その人がくれた言葉や笑顔は、
季節が巡るたびに、そっと心の中に戻ってきます。

今年もまた、モクレンの花が咲きました。

温かいお茶でも飲みながら、
そんな思い出を、ゆっくり眺めてみるのもいいですね。

あなたにも、
春になると思い出す人はいますか。

読んでくださって、
ありがとうございます。

縁側のあとで、少しだけ

ここまで読んでくださったあなたに、
もうひとつだけお話をさせてくださいね。

以前、心にモヤモヤを抱えていた頃に、

空飛ぶ引きこもり小説家、千聖さんの隠れ家カフェと出会いました。

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