「かわいい」のその先へ
リカちゃんサイズのちょうちん袖ブラウスを縫いました。
それは、幼い頃の私への小さな返事でもありました。
手のひらにのるほどの、ほんとうに小さな一枚です。
現代で言う、ポワン袖。
ドールに着せた瞬間、
思わず口から出ました。
「かわいい。」
そして、すぐあとに続いた
もうひとつの本音。
「これが、私の着たかった服。」
七分丈パンツの子
幼い頃、近所に同級生の女の子がいました。
いつも白いブラウスや、
小花柄のワンピースを着ている子。
丸い襟や、ふわっとした袖が
とてもよく似合っていました。
うらやましかった。
私はというと、七分丈パンツの子。
動きやすくて、現実的で、
“可愛い”より“便利”。
選んだというより、
それしか着せてもらえなかったのです。
ちょうちん袖が好き
今回、いくつか縫いました。
ギンガムのちょうちん袖ブラウスと帽子。
ロングの小花柄ワンピース。
そしてネイビーのパンツ。
あれもこれも作りたくなって、
少し欲張りかしら、と思いながら。
でも、縫いながら気づいたのです。
私は、ちょうちん袖が好きなのだと。
丸くて、ふわっとして、
肩にやさしく空気を含んだかたち。
強く主張しなくていい。
やわらかくていい。
それは、今の私がなりたい姿に
どこか似ている気がしました。
幼い私と、六十四歳の私
最初は、
幼い頃の自分を迎えにいくつもりでした。
でも違いました。
白いちょうちん袖を着たいのは、
あの頃の私だけではない。
六十四歳の、いまの私も。
もし真っ白なブラウスを
この年齢で静かに着こなせたら。
可愛いだけでなく、
清楚で、きちんとした一枚を。
どんなに素敵でしょう。
そんな思いが、
胸の奥から静かに湧いてきました。
ガーランドにのせて

縫いあがった小さな服たちを、
ガーランドにしてみました。
春の光の中で、
風にゆれる小さなブラウス。
ギンガムの袖も、
小花柄のワンピースも、
ネイビーのパンツも。
並べてみると、
まるで小さな洗濯物のよう。
どれも、私の憧れ。
あの頃、着られなかった服を、
いまは手のひらサイズで縫っている。
そう思うと、
胸の奥が、ふわりとあたたかくなりました。
今日の縁側便り
パンツも、
ちょうちん袖も、
ワンピースも。
どれも、私。
幼かった頃の私も、
六十四歳の私も、
同じ物干し竿に、そっと並んでいます。
いまは、リカちゃんサイズで
夢や憧れをのせて、
コツコツ縫っています。
でもいつか。
真っ白な、
ちょうちん袖のブラウスを。
自分サイズで
一枚、縫ってみたいと思っています。
着てみたい、と
素直に思えたことが、
今日は、
少しうれしいのです。
あなたにも、
しまいこんだ憧れはありますか。
読んでくださって、
ありがとうございます。
縁側のあとで、少しだけ
※ここからは、
ばぁばちゃんが今、大切にしている場所のお話です。
以前、心にモヤモヤを抱えていた頃に、
空飛ぶ引きこもり小説家、千聖さんの隠れ家カフェと出会いました。
ばぁばちゃん自身が、心から大切にしている場所です。
何度かメールでやり取りをする中で、
千聖さんのあたたかい言葉に、どれだけ救われたことか…。
この出会いに大きな勇気をもらい、リアルでもお会いすることができ、大切な思い出が一つ一つ増えています。
今は「好きなことを仕事にする生き方」を未来型*夢の降る道で学んでいます。
まるで大人のための寺子屋みたいな場所。
ここで「山ごもり竹川」という仙人みたいな方や、
私の心をやさしくほぐしてくれた千聖さんに出会うことができました。
よかったら、あなたもこっそり覗いてみてくださいね。


