先日、長年しまい込んでいた和ダンスを開けてみると、思いがけない宝物に出会いました。
それは、嫁ぐ際に母から持たせてもらった絣の着物のハギレです。
伯母(母の姉)が仕立ててくれたその着物は、当時花嫁衣裳や着装をしていた伯母ならではの丁寧な仕事が施されていました。
40年ぶりに和ダンスで出てきたハギレを手に取ると、駄菓子屋の店先の土間の匂いがふわっと蘇ります。
割烹着の布がすり合うかすかな音や、モンペ姿の母の背中も、目の前に浮かんできました。
母と伯母、昭和の手仕事の思い出

小さく折りたたまれた布を広げると、母が過ごした昭和30年代の光景が浮かびます。
朝早くから夜遅くまで駄菓子屋を切り盛りし、店先を掃きながら打ち水をする母。
近所の子どもたちが小銭を握りしめて駄菓子を買いに来ると、笑顔で「今日は何にする?」と声をかける、そんな光景も思い出されます。
布を手にすると、その笑い声や足音までがふわりとよみがえり、忙しくても温かな日常のひとコマが目に浮かびます。
小地谷のカスリとの出会い

今回の作品に取り入れたハギレは、新潟県小千谷市の伝統的な小地谷のカスリ古布です。
手触りは少しざらっとしていて、色あせた糸の模様がほんのり懐かしい匂いを運んでくれます。
伝統ある布の柔らかさと希少な模様が、ミニチュアガーランドに特別な表情を添えてくれました。
ミニチュアガーランドに仕立てるまで

母と伯母の思い出を胸に、一針一針心を込めて作業を進めました。
裁断から縫製まで、一枚一枚の布に母と伯母の思い出を重ねながら作りました。
白い割烹着やよそ行きのモンペ――小さな洗濯物ひとつひとつに、縁側で干す母の手の感触や、干すときのカラリとした音を思い出しながら、昭和の暮らしの温もりをぎゅっと閉じ込めています。
完成した作品


完成したガーランドを手にした瞬間、思わず笑みがこぼれました。
小さな布に、母と伯母の愛情と昭和の時間がぎゅっと詰まっています。
お部屋や窓辺に飾れば、風が揺らす布の音とともに、懐かしい風景がそっと顔をのぞかせてくれます。
今日の縁側便り
和ダンスで見つけたハギレを手にしたとき、幼かった私を抱っこしている母の写真や、伯母の丁寧な手仕事を思い出しました。
家族や手仕事の大切さ、そして日々の暮らしの尊さを改めて感じます。
昭和の暮らしは決して華やかではなかったけれど、静かで温かく、今の私にもしっかりと根を張っています。
あなたも、小さなものや日常の風景の中に、そっと心に残る物語を見つけてみませんか。
ふとした瞬間に、懐かしい音や匂い、手触りが心をそっと温めてくれますね。
読んでくださって、
ありがとうございます。
縁側のあとで、少しだけ
ここまで読んでくださったあなたに、
もうひとつだけお話をさせてくださいね。
以前、心にモヤモヤを抱えていた頃に、
空飛ぶ引きこもり小説家、千聖さんの隠れ家カフェと出会いました。
ばぁばちゃん自身が、心から大切にしている場所です。
何度かメールでやり取りをする中で、
千聖さんのあたたかい言葉に、どれだけ救われたことか…。
この出会いに大きな勇気をもらい、リアルでもお会いすることができ、大切な思い出が一つ一つ増えています。
今は「好きなことを仕事にする生き方」を未来型*夢の降る道で学んでいます。
まるで大人のための寺子屋みたいな場所。
ここで「山ごもり竹川」という仙人みたいな方や、
私の心をやさしくほぐしてくれた千聖さんに出会うことができました。
よかったら、あなたもこっそり覗いてみてくださいね。


