運転やめたら認知症が進む? 高齢ドライバー「危ないサイン」と対策

長年、運転を続けてこられたシニア世代にとって、運転は単なる移動手段ではなく、生活を支える大切なものです。
買い物や病院への足、趣味の外出など、運転があるからこそ、今の生活を維持できているという方も多いのではないでしょうか。
でも、年齢とともに認知機能が徐々に衰えていくのは自然なこと…。
「運転をやめると認知症が進む」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、医学的な根拠はないようです。
ただ、運転をやめることで外出が減ったり、人との交流が少なくなったりして、結果的に認知機能が低下する可能性はあるようなのです。
認知機能と運転の関係

高齢ドライバーの事故、実は増えている!?
近年、高齢ドライバーによる痛ましい事故のニュースをよく目にします。
アクセルとブレーキを踏み間違えたり、高速道路を逆走したりなど、危険な運転も後を絶たないです。
高齢者の事故自体は増えていないものの、高齢ドライバーの数が増えているため、事故の割合が増加傾向にあるようです。
しかも、高齢者の事故は悲惨なものが多いため、どうしても目立つのです。
免許返納【私の父の実例】

免許返納は、多くの高齢ドライバーにとって悩ましい問題です。
「まだ運転できる」
「自分で判断する」と思っていても、
家族や周囲からの反対もあるかもしれません。
私の父の場合ですが、70代後半に膝の手術を受けました。
術後、しばらく運転していなかったのですが、リハビリが終わって運転できるようになると、また運転したいと言いました。
でも、母や妹たちは
「危ないからもう運転はやめて!」って大反対しました。
父は、
「まだ運転できる! 衰えたと思ったら返す!」
と抵抗しましたが、結局、家族に押し切られて泣く泣く返納したのです。
当時の私は、遠方に住んでおり、この時の話し合いは事後報告で知りました。
父が電話口で泣いていた事を、今でも思い出されます。
免許返納した直後から、父は引きこもりがちになってしまいました…。
運転は、ただの移動手段ではなく、生きる意欲や楽しみにもつながってるのだと、この頃改めて気付かされました。
「危ないサイン」免許返納、いつ考える?

免許返納のタイミングは、人それぞれです。
私もいつか、免許返納を考える時が来ると思いますが、
「運転操作に自信がなくなった」
「ヒヤッとする場面が増えた」
となる前に、何かサインはないのでしょうか?
一度立ち止まって、自分の運転を見つめ直す機会も必要なんだと思い始めています。
運転能力のチェック

自身の運転能力を客観的に知るものはないだろうか?
先日、運転に必要な認知機能をチェックするための
NPO法人 高齢者安全運転支援研究会の
チェックリスト30 WEB版 を見つけたので、ご紹介します。
このチェックリストをお役立てください。
チェックリスト30 WEB版でチェック

チェック項目が5つ以上当てはまる場合は、専門機関に相談するよう推奨しています。
私もドキドキしながらチェックしてみましたが、30項目中、4つ当てはまりギリセーフ!?
とは言えない結果にショックを受けました。
私の住む町は、公共交通機関があまり発達していないので、仕事をしているうちは免許証が必須ですが、「少しずつ免許返納への準備をしていくのがいいのかな…」と、思っています。
埼玉県警のアンケート結果
埼玉県警が、運転免許の更新に訪れた高齢者に対して、このチェックリストを使ったアンケートを実施したそうです。
その結果、最も多かった回答は、
なんと!
「以前ほど車の汚れが気にならずあまり洗車をしなくなった」だったそうです。
これは、軽度認知障害にありがちな無気力さの表れである可能性があるとのことです。
実は、私自身も最近…確かに洗車をする回数が減ったような…。
ドライブに行く回数も減ったし、以前ほど車に興味がなくなったのも事実です。
もしかしたら、私も軽度認知障害の兆候が出始めているのかもしれません。
運転とどう向き合っていく?選択肢

家族や友人など、身近な人の意見を参考にし、
また「最近、運転が危ないな」と感じている人がいたら、遠慮せずに伝える勇気も大切ですよね。
運転に不安を感じたら、高齢者向けの運転講習を受講するのも選択肢のひとつです。
運転技術の維持や向上、安全意識の向上につながります。
また、運転をやめることも選択肢のひとつです。
家族の送迎などを利用して、移動手段を確保できる事は理想ですが、私のようなおひとり様はそうはいかないです。
公共交通機関やタクシーの利用に頼るしかなくなります。
運転をやめることは、交通事故のリスクを減らすだけでなく、精神的な負担を軽減する効果も期待できますが、今まで自由に運転していた身としては、免許返納はかなりのダメージです。
どちらもメリット・デメリットがありますから、慎重に向き合わなければならない問題ですね。
まとめ
運転と認知機能の関係は複雑であり、一概に「運転をやめれば認知症が進む」とは言えません。
しかし、高齢ドライバーは自己診断を過信せず、定期的な検査や周囲の意見を参考に、運転について慎重に判断する必要があります。
運転を続けるのか?運転を卒業するのか?
いずれにしても安全を第一に考え、無理のない選択をした方がいいですね。
私自身も含め、この記事が、あなたの運転生活を見直すきっかけになれば幸いです。
