「なんか違う…」から始まった、マント作り直し
実は先日、藤井風さんのムンバイ公演の衣装をミニチュアで再現してご紹介したのですが……
どうしても、心のどこかで『もっとあの時の空気感を出せたはず!』という想いが消えませんでした。
悪くはない。
でも、求めている雰囲気じゃない。
あの日のムンバイは、眩しいほどの太陽が照りつける野外ステージ。
その光の中で、パッチワークがどんな風に輝いていたか。
そんな私のこだわりを詰め込んで、マントをもう一度作り直してみました。

まずは反省会から
第1号をじっくり眺めて、気になったところをメモ。
- 切りっぱなしのパッチワークが気になった
- シルエットが重たく見える
- ドールの雰囲気と微妙にズレている
- もっと“ムンバイ衣装らしさ”を出したい
作ってみないと分からないことって、たくさんあります。
でも、こうして改善点が見えてくるのも、手作りの醍醐味。
第2号のテーマは「軽やかさ」
今回は、軽くて動きのあるマント を目指すことにしました。
ムンバイ衣装って、風にふわっと揺れる感じが魅力なので、そこを大事にしたくて。
布山をひっぱり出して、
薄手のコットン、柔らかいガーゼ、少し透け感のある布を並べてみる。
「あまり細かくし過ぎないほうが良いかも」
「薄い生地を多めにして裏地はやめよう」
そんな事を考えながら進めていきました。
色味は、前とあまり変わらないけど、少し落ち着いたトーンになったかな。
パッチワークは大きめにして、布そのものの表情を活かす方向へ。

途中のパッチワークはこんな感じ。大きめにしたことで、布の表情がよく見えるように。
縫いながら感じた“しっくり感”
第1号のときは、どこか手が止まる瞬間があったのに、
第2号はスイスイ進む。
「あ、これだ」
縫いながら何度もそう思いました。
布の厚み、落ち感、ドールに合わせたときのバランス。
全部が自然にまとまっていく感じ。
手が迷わないって、すごく大事なんですね。

完成した第2号マントは…
試着させた瞬間、思わず笑ってしまいました。
「うん、これこれ。こういうのが作りたかったのよ」
第1号よりも軽やかで、
ドールの雰囲気にもぴったり。
パッチワークの主張を抑えたことで、
全体がすっきりして、衣装の世界観にも馴染んでくれました。
第1号があったから、第2号に出会えた
失敗…とまでは言わないけれど、
「なんか違うな」と思った経験があったからこそ、
今回のマントにたどり着けた気がします。
手作りって、こういう積み重ねが楽しいんですよね。

もし、こんな場所で羽織ってもらえたら──
そんな景色を思い浮かべながら、重ねてみました。
手作りの温もりと、遠くインドの空がつながったような、私だけの大切な一枚です。
藤井風さんのライブ動画で見た、あの風に揺れる布の重なり。
ほんの少しだけ、近づけた気がしました。

あなたは、どちらの衣装が雰囲気でてると思いますか?
一針一針、悩みながら繋いだこの衣装が、遠いインドの空とつながったような気がして、今はとても晴れやかな気持ちです。
次はシャツづくりに進む予定ですが、
また新しい発見があるんだろうなと思うとワクワクします。
今日の縁側便り
今日は一日、布と向き合って過ごしました。
広げては悩み、重ねてはほどき、また縫って。
同じようなことの繰り返しなのに、
少しずつ「しっくり」に近づいていくのが不思議です。
ふと気づくと、外はもう夕方。
窓から入るやわらかい光の中で、出来上がったマントを眺めていました。
うまくいかない時間も、遠回りした時間も、
ちゃんと今日の一枚につながっているんだなぁと思います。
お茶でも飲みながら、
そんな一日を、ゆっくり味わっています。
読んでくださって、
ありがとうございます。

