こんにちは。
今月、私は65歳になりました。
そして先日、市から一通の封筒が届きました。
中に入っていたのは……
「介護保険証」
「あれ?……私にも届いたんだ」
思わず、そんな言葉が出ました。
介護施設で働くようになって、早7年。
毎日のように利用者様の介護保険証を見たり、手続きのお手伝いをしたりしています。
私にとっては、いつも身近にあるものでした。
でも、自分の名前が書かれた介護保険証を手にした瞬間。
なんとも言えない、不思議な気持ちになりました。
「私もついに、高齢者の仲間入りなんだな……」
そんな実感が、少しずつ湧いてきたのです。
元気なつもりだった私
自分では、まだまだ元気なつもりです。
仕事もしている。
ミシンにも向かう。
作りたいものも、まだまだたくさんあります。
「介護なんて、まだ私には関係ない」
そんなふうに思っていました。
でも、世間では65歳から高齢者と言われる年齢。
頭では分かっていたはずなのに、1枚の保険証が届いただけで、急に現実になった気がしました。
少し寂しいような。
少し悲しいような。
そして、ちょっと戸惑うような。
何とも複雑な気持ちです。
利用者様に笑いながら伝えたこと
施設では利用者様に、
「私も今月から皆さんの仲間入りしましたよ」
なんて、冗談交じりに話しています。
すると皆さん笑ってくださいます。
でも、家に帰ってひとりになると、ふと思うことがあります。
いつ病気になるんだろう。
もし怪我をしたら?
今のように歩けなくなったら?
そんな不安が頭をよぎることもあります。
市から届くたくさんのお便り
ここ数カ月、市役所から届く手紙が増えました。
帯状疱疹ワクチンの接種券。
がん検診のお知らせ。
歯周病検診。
高齢者用肺炎球菌ワクチン接種券。
肝炎ウイルス検診。
封筒には、
「無料受診券在中」
と書かれています。
以前なら、どこか遠い話のように感じていたものばかり。
でも今は、
「自分の体を大切にしてくださいね」
という市からのメッセージなのかもしれない、と思うようになりました。

65歳からの時間を、もっと大切にしたい
65歳になったからといって、急に何かが変わるわけではありません。
昨日までと同じように朝が来て、仕事へ行き、ご飯を食べて眠る。
でも、心の中では少し変化がありました。
「これからの時間を、もっと大切に使いたい」
そんな思いが強くなったのです。
振り返ってみると、正規雇用から派遣という働き方に変えたことも、65歳を迎えるための準備期間だったのかもしれません。
夜勤も辞めました。
今は週4日、日勤だけの勤務です。
お休みが少し増えたことで、自宅でミシンに向かう時間ができました。
これが、何より嬉しいことです。

布を選んで。
形を考えて。
ミシンを踏んで。
少しずつ作品が出来上がっていく時間。
その時間は、今の私にとって大切な宝物です。
本当は、もっともっと作品作りに没頭したい。
朝から晩まで、好きな布に囲まれていたい。
そんな気持ちもあります。
でも、現実には年金だけでは生活していけません。
だから、まだ働くことも必要です。
「好きなことをしたい気持ち」
「生活を守るために働くこと」
その間で揺れながら、私は高齢者への一歩を歩き始めました。
今日の縁側便り
65歳。
この数字を聞くと、少し前までは「まだ先のこと」と思っていました。
でも、とうとう私のところにも、その節目がやってきました。
少し戸惑いながらも、これも人生のひとつの通過点。
歳を重ねたからこそできること。
見える景色。
感じられる幸せ。
きっと、まだまだあるはずです。
これからの人生。
小さな布を一枚一枚つなぎ合わせるように、私らしい時間を作っていきたいと思います。
ばぁばちゃん、65歳。
まだまだ、ここからです。
お読みいただき、ありがとうございます。
