ほろ酔いの夜、母の笑顔
昨日は早番で、まだ明るいうちに帰宅しました。
ササっと夕食の準備を済ませて、ほっとひと息。
母は昼間のうちにご飯の支度を終えていて、
「今日は肉団子スープ作ったのよ」と、嬉しそうに一品おすそ分け。

高齢の母と二人暮らしですが、
我が家は食事の支度はそれぞれ別々です。
「わ、助かるー。今夜はお味噌汁作らなくていいわ、ありがとう」
そんなやり取りが、なんだか心地よくて。
自分の食べたいものを、それぞれ作る。
このやり方にしてから、気持ちがずいぶん楽になりました。
かなわない人だった母
今日はお休み。
そんな気軽さもあって、昨晩は一杯。
私はいつものお酒を、
母はウイスキーの水割りを。
同じ部屋で、なんとなく同じ時間を過ごしながら、
他愛もない話をして、ふたりで笑って。
そのとき、ふと——
母の笑顔が、やけに嬉しく感じました。
そして、少しだけ「可愛い」と思えたのです。
思えば母は、ずっと強い人でした。
芯が通っていて、はっきりしていて、
私にとっては「かなわない人」。
一緒にいると、自分の無力さや、
どこかいい加減な部分を、
静かに突きつけられているような気がしていました。
やわらいだ時間の中で
けれど昨夜の母は、どこか違って見えました。
グラスを手にして、くしゃっと笑うその顔は、
まるで子供のようで、やわらかくて。
最近、ときどき、そんな表情を見せるようになりました。
年を重ねたからなのか、
それとも、私の見え方が変わったのか——
理由はわからないけれど、
その笑顔を見ていると、
肩の力がふっと抜けるような気がします。
あんなに強く見えていた母にも、
こんな表情があったんだと、
今になって、ようやく気づいたような夜でした。

今日の縁側便り
かなわないと思っていた人を、
「可愛い」と思えた夜。
少しだけ、母との距離が
やわらいだ気がしました。
読んでくださって、
ありがとうございます。

