ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、体を動かす神経が少しずつ働きにくくなる病気です。
でも、心や気持ちはそのままです。
だから、一緒に過ごす時間や想いは、しっかり伝わります。
ALSの患者様とのお別れは、とてもつらい出来事でしたが、私に勇気や希望をくださり、介護への思いをさらに強くしてくれました。
けれども現場は待ってくれません。
空き部屋が出れば、次の患者様が入居され、日々の仕事が始まります。
気づけば私は、次第に人の死に慣れてしまった自分に戸惑い、心が疲弊していきました。
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心を癒してくれた場所──蓬莱橋

そんなとき、職場から車で10分ほどの場所に、私の心をそっと温めてくれる場所がありました。
初めて訪れたとき、何とも言えない“自分の居場所”のように感じた場所──
それが、世界一長い歩道橋「蓬莱橋」です。
昔ながらの風情にあふれる蓬莱橋は、
時代劇をはじめテレビドラマやサスペンスの舞台に。
また、バラエティ番組にも登場し、全国に知られています。
風に吹かれ、川の音を聞きながら、
この真っ直ぐで長い橋の上に立つと、ホッと胸の奥がゆるみました。
昼休みや仕事帰り、上司に怒られて泣きたくなったとき、私はここに逃げ込んでいました。

深呼吸をして少しの間だけでも心を落ち着けることで、また仕事に戻る力が湧いてきたのです。
私にとって蓬莱橋は、心の避難場所でした。
今、あの頃を振り返って
再び訪れた蓬莱橋は、変わらない美しい景色で迎えてくれました。
橋を渡りながら、あの頃の自分を思い出します。
蓬莱橋は、ただの橋ではありません。
苦しい日々も多かったけれど、
もしあの経験がなければ、多分今の私はいないかもしれません。
蓬莱橋で心を癒し、乗り越えられたからこそ、今の自分があると思います。
この橋で過ごした時間や感じたことは、
私の心の支えとなり、これからも大切にしていきたい心の避難場所です。

いつでも私を迎え入れてくれる大切な場所。
これからも、私の心の支えでいてくれると感じます。
蓬莱橋(ほうらいばし)情報

- 静岡県島田市にある木造歩道橋
- 全長約897メートル。かつては日本一長い木造歩道橋として知られていました
- 橋の上での散策や自然とのふれあいを楽しむ人気スポット
- のんびりと景色を楽しむことができ、ストレス解消やリフレッシュにも最適
- 年中無休
4月~9月:午前9時から午後5時まで
10月~3月:午前9時から午後4時まで
今日の縁側便り

赤とんぼ!
「初めてカメラに捉えましたよ!」
残暑はまだまだ厳しいですが、秋を感じた蓬莱橋の風でした。
今日もお話を聞いてくださって、ありがとうございます。
ばぁばちゃんは、いつも心の中のお店をそっと開けています。
それではまた──温かいお茶を淹れて、お待ちしております。

おかえりなさい。
「ばぁばちゃんの台所カフェ」から、そんな思い出を込めて。
今、好きなことを仕事にする生き方を未来型*夢の降る道で学んでいるんですよ。
まるで大人のための寺子屋みたいなイメージかな。
ここでは、「山ごもり仙人」と呼ばれる、面白くて個性豊かな竹川さんと、
私の閉ざされた心を少しずつ丁寧にほぐしてくれた千聖さんに出会うことができました。
なんだか、こっそり覗いてみたくなりませんか?
