霧の中の茶臼山高原の芝桜まつり

朝から小雨がぱらぱらと降り続く日、
愛知県と長野県の県境に広がる茶臼山高原 芝桜の名所に行ってきました。
楽しみにしていた茶臼山高原の芝桜ですが、
山頂に近づくにつれて霧が濃くなり、
気温もどんどん下がっていきます。
せっかく咲いている芝桜も、
白いヴェールに包まれて遠く霞み、
足元もひんやり。
サイトの写真では見事だったピンクの絨毯が、
実際には薄ぼんやりとしか見えず、
少し残念な気持ちで山を降りました。
でも、不思議なことに、その後の時間が、
思ってもみなかった癒しのひとときになったのです。
癒しのカエル館|ワンと鳴くカエル

次に向かったのは、「カエル館」という小さな展示施設。
そしてちょっと怪しげな雰囲気。
茶臼山高原から、車で5分ほどの場所です。

中に入ると、ガラスケース越しに
さまざまな種類のカエルたちが並び、
その色や姿のユニークさに
思わず見入ってしまいます。

まるで自然が生んだアート作品のようで、
なんだか心が和らぎました。
中でも私の目を引いたのが、「ネバタゴガエル」というちょっと珍しいカエル。

驚いたことにこのカエル、“ワン!”と鳴くんです。
本当に犬のような声で。
今はちょうど繁殖期らしく、
雄が求愛のために鳴くタイミングだそうで、
たまたまその鳴き声を生で聞くことができました。
「今日はよく鳴くなー」と館長さんも笑顔。
さらに教えてもらったのですが、
このネバタゴガエル、日本の固有種で、
なんと長野県の根羽村にしか生息していないのだそうです。

そんなレアな存在と偶然に出会えたこと、
そしてその声を聞けたことに、
なんともいえないご縁を感じました。
ちなみにこのカエル館がある場所は、
“0地場(ゼロじば)”と呼ばれる、
地球のエネルギーが集中する場所なのだとか。
確かに、館内にいると
どこか静かで穏やかな空気が流れているようで、
心も体もふっとゆるむ感じがしました。
森の中で出会ったビリビリ石

カエル館を出たあと、すぐ裏手に広がる雑木林を散策。
しっとりと濡れた葉
土の匂い
霧にけぶる木々のあいだをゆっくりと歩くと、
まるでジブリ映画の中に迷い込んだような気分に。
鳥の声もどこか遠く、足元には苔むした石が点々と……。
その中に、少し変わった形の「苔石」がありました。

案内板には“ビリビリ苔石”と書いてあり、
「手をかざしてみてください」とのこと。
半信半疑でそっと手を伸ばすと──
なんと!
指先にじんわりとビリビリするような感覚が。

驚いてもう一度試してみても、やっぱり感じるんです。
不思議で、ちょっとワクワクしてしまいました。

森の静けさ
しっとりした空気
目に優しい緑と苔
そしてビリビリと感じる小さな刺激。
この森には言葉ではうまく言い表せない、
何かがあるような気がしました。
心の霧が晴れていく帰り道

芝桜は満開とはいかなかったけれど、
それでも、この日、出かけてよかったと、心から思いました。
“見に行ったもの”は曇っていたけれど、
“出会えたもの”は澄んでいた気がします。
珍しいカエルと、その鳴き声。
森のビリビリ石と、ジブリのような風景。

小雨けぶる中でしか感じられない静けさと
しっとりとした癒し。
帰りの車の中では、
なんだか気持ちが軽くなっていました。
あの“ワン!”というカエルの声が、
頭の中で何度もリフレインしています。
今日の縁側便り

200キロも走ったので、からだはクタクタなはずなんだけど……
なぜか今日は、心がふわっと軽くて、不思議と気分はスッキリ。
旅の余韻を抱きながら、今夜は湯呑みの湯気に癒されています。
思い出って、こうしてじんわり、心に沁みていくんですね。
山の空気と、ぴょんと跳ねるカエルたちの声。
ジブリみたいな森の緑が、きっと心の奥にそっと栄養をくれた感じ。
今夜はぐっすり眠れそうです。
今日も「ばぁばちゃんの台所カフェ」にお越しいただきありがとうございます。
このブログが、あなたにとっても心の温まる居場所になれば嬉しいです。
また縁側でお待ちしていますね。

おかえりなさい。