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母の反対を押し切った結婚そして離婚④世間体を気にする母と私の葛藤

母と娘

価値観のズレが広がる日々

夫婦の価値観は、少しずつズレていった。

どの仕事も長続きしなかった夫が、パチンコ店に転職してからは意外にも続いていた。

仕事が面白くて仕方ない様子で、まるで天職を見つけたかのようだった。

休日も返上し、新台を試し打ちするために遠方の街へ足を運ぶ。

家には、ただ寝るために帰るだけ。

夫婦の会話はなくなり、子供たちとの関わりもほとんどなくなっていた。

気づけば、夫婦の間には埋められない溝ができていた。

決定的な出来事

そして、ある日、決定的な出来事が起こる。

夫が子供たちの前で私に手を上げたのだ。

「何のために一緒にいるのか分からない」

「少しは子供たちをどこかに連れて行ってよ!」

そう訴えた私に、夫は不機嫌そうに顔をゆがめ、突然、胸ぐらを掴みこぶしを振り上げた。

息が詰まり、体が固まる。

「やめて! お母さんをいじめないで!」

息子が叫びながら、私たちの間に割って入った。

その瞬間、夫の動きが止まる。

たった一瞬のことだった。

でも、その一瞬で、私の中の夫への気持ちは完全に崩れ去った。

「私の未来に、あなたと一緒の姿は見えない……」

ついに、口にしてしまった。

子供たちの選択と決意

息子は真剣な表情で私を見つめ、静かに言う。

「お母さん、俺にもちゃんと話して。本当のことを教えて」

私は決意した。

「お父さんとは、もう一緒にいられない。だから、別れることにしたの。あなたたちは、どちらと暮らしたい?」

息子も娘も、迷わず「お母さんと一緒がいい」と答えた。

「ありがとう」

14年間の結婚生活は、離婚という形で終わりを迎えた。

母子家庭としての新たなスタート

私は二人を抱きしめ、誓う。

「お母さんは、ずっとそばにいるよ」

こうして、私たちは母子家庭になった。

両親には頼らず、自分の力で子供たちを育てると決めた。

「嫁ぐときに心配をかけたのだから、今さら実家を頼るわけにはいかない」

そう自分に言い聞かせ、必死に働いた。

子供たちの未来のために、どんな困難も乗り越えなければならない。

両親とは、孫の顔を見せる程度の付き合い。

それがせめてもの親孝行だと思っていた。

迷いと後悔

仕事に追われる日々。

ふと、頭をよぎる。

「私、何のために生きているんだろう?」

虚しさを埋めるように、夜に飲みに出たり、ライブハウスへ足を運んだ。

楽しかった。

心が軽くなった。

頻繁に実家へ子供を預けるのは気が引けたため、二人だけで留守番をさせることもあった。

今思えば、無責任だった。

小学生の子供を家に残し、夜遊びに出るなんて。

息子の涙と気づき

お酒の味を覚え、ある夜、とうとう午前様になった。

帰宅すると、息子が泣きながら私を睨んでいた。

「俺だって心配してるんだ! なんで連絡くらいしないの!?」

その言葉に、何も言い返せなかった。

自分の楽しみばかりを優先し、子供たちの気持ちを考えていなかった。

あの夜、息子の泣き顔を見た瞬間、胸が締めつけられた。

今でも、あの時のことを思い出すたびに後悔する。

新たな一歩

私は母親として、大切なものを見失っていた。

しかし、あの経験があったからこそ、私は自分の生き方を見つめ直すことができた。

「大切なものを守るために、私は変わらなければならない」

そう心に誓い、新たな一歩を踏み出した。

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