大学病院での出会い：キーパーソンはここにいた！
介護士になったきっかけ【第四話】をここに綴ります
少し重い話ですので、あえてコミカルなイラスト「なのなのな」さんの作品を使わせていただいております。
最後までお付き合いいただけたら幸いです。
初めての病院勤務/人使いがあら過ぎる！？
なかなか彼と会えぬまま、忙しい日々が続きました。
初めての病院勤めの配属先は、主に癌末期の方や婦人科系病の方が多い入院病棟でした。
癌患者さんってこんなに大勢いるんだな・・・
レクチャーもそこそこに現場に放り込まれ、クタクタの毎日でした。
若い看護師さん達、かわいい顔して人使いがあらいわね！？
「○○さんを車椅子でレントゲンに連れてって」
「次は○○さんをCTにお願いね」
「○○さんが痛がってるからさすってきて！」
次から次へと指示が飛んできます。
ホッとする暇などまったくありません。
「急ぎの薬が出来てるから早く取りに行ってきて」
「次はMRIよ！金属系の物は全部取って中に入らないとダメだからね」
医療現場の大変さを改めて知りました。
大学病院内はとても広く、まるで迷路のよう・・・
どこに何があるのか直ぐには把握できません。
患者さんを検査に連れて行くのに、地図を持たされ動き回りました。
まったくの未経験者にも容赦なく、プロ並みの要求内容でした。
- 車椅子移乗
- おむつ替え
- 口腔ケア等・・・
古株の助手で意地悪な人もチラホラ。
横柄な態度やキツイ性格、言葉遣いにビクビクしました。
「あなただって１年生だった時があったでしょうに」と言ってやりたかった！
命を預かる現場ですから、一刻の猶予も無い場合もありました。
無理もない事と割り切っていたけれど、心はいつも、疲れ切っていました。
病棟の朝は、ドクターがインターン・看護師を従えてぞろぞろとやってきます。
大名行列みたい！？
なにもあんなに威張って歩かなくてもいいのに・・・
病院には、独特のルールが多く、エレベーターに乗る優先順位にも決まりがありました。
「エレベーターを待っている時間がもったいないよ。階段から行って！」
と注意されることもしばしばで、階段を何度も何度も上り下りです。
こんな時！旅館で鍛えた脚力が役に立ちましたよ。
へこたれるもんか！
やっとつかんだ仕事です。
こなすだけで精一杯の日々でした。
やさしい介護士さんにあこがれる
そんなピリピリした職場の中、いつも笑顔で優しく患者さんに接する介護士さんが1名、配属されていました。
- 入浴介助
- 口腔ケア
- 排泄介助
- お話相手
これらを一手に引き受け、看護師からの信頼も厚く、患者様からも好かれる人柄でした。
新人助手の私にも嫌な顔一つせず、親切丁寧に色んなことを教えてくれたんです。
この介護士さんの仕事ぶりや、人柄に触れ
私もこんな人になれたらな。
介護の仕事を覚えたい・・・やってみたい！
こんな気持ちが、どんどん膨らんでいきました。
介護資格への挑戦
ここは伊豆の国市。
景色が美しい温泉町です。
ですが、交通の便も悪く近隣の市町には介護を勉強する場所がありませんでした。
休日を利用し、遠くの街まで助手の仕事を続けながら介護講座に通いました。
休日返上！
あと少し頑張れば資格が取れる！
彼に合う機会は激減していました。
寂しい気持ちや心配な気持ちと戦いながら、やっとの思いで晴れて介護の資格を取ることができました。
私が介護士になるまで、彼は応援し励まし続けてくれました。
けれども、私が頑張れば頑張るほど態度が素っ気なく感じるようになっていったんです。
なんで？寂しい。会いたいよ。
あの人の喜ぶ顔が見たいだけ！
あの人の力になりたいだけなのに・・・
その間、彼の体調は一進一退を繰り返し、板前の仕事はかろうじて続けていました。
けれども手術の度に、長期休暇をもらっていたため、勤めていた隠れ家の宿には居づらくなり、退職しました。
彼も心機一転！いざ熱海へ
彼は、仕事場を熱海市に移しました。
板前界隈では顔が広い仲間が、彼の体調を理解してくれる職場を見つけてくれたんです。
本当に有難い仲間の支援に、感謝しかありません。
心機一転！
彼は、ライブキッチンで思いっきり自慢の腕を振るい、次第に生活も落ち着いていきました。
何だか活き活きしてる。
この頃は、以前とおなじように、カラオケや食事・近場のドライブを楽しめる様になるまで、回復しました。
念願だった彼の娘さんともお会いでき
娘さん：
お父さんに彼女ができたなんて信じられない。
普通の人じゃあないですから（ふふ）
お世話かけますがこれからもよろしくお願いします。
こんな言葉をかけてもらい、この時の私は有頂天でした。
平和な日常を取り戻したかのように
次第に元気を取り戻したかのように見えました・・・
第４話をお読みいただきありがとうございます。次回は最終話になります。よろしかったらまた遊びに来てくださいね。お待ちしています。
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