ことだまの杜:事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)参詣のしおり

今、あなたが神様にお願いしたいことはなんでしょうか?
ことのまま神社(事任八幡宮/ことのままはちまんぐう)は「言葉にした願いがそのまま叶う」とされる珍しい神社です。
静岡県掛川市にある由緒ある神社で、古くから信仰を集めています。
近年パワースポットとしての注目度が高まっており、遠方からやって来る参拝者も少なくありません。
ですが、少し珍しいお参りの仕方なので知らない人も多いようです。
この記事では、ことのまま神社の境内の様子や、珍しいお参りの仕方、アクセスについて詳しく紹介します。
事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)ご祭神
事任八幡宮には四柱の神々がお祀りされています。
主祭神

◇己等乃麻知比売命(ことのまちひめのみこと)
ことのまちの「こと」は「事」でもあり「言」でもあります。
また「まち」は「麻知」でも「真知」でもあります。
真を知る神、言の葉で事を取り結ぶ働きをもたれる神様として、また、言の葉を通して世の人々に加護を賜う「ことよさし」の神として敬われています。
天と地と人を結ぶ、とても大切なお働きをなさる神様です。

八幡大神
◇誉田別命(ほんだわけのみこと)/応神天皇
第15代天皇(応神天皇)で、神功皇后の御子でいらっしゃいます。
その治世において、海の民、山の民をことごとく平定した優れた王であったと伝えられています。
百済王の子 阿直伎や王仁を招き、日本に新たな文学や産業などの文化を招来させたすぐれたお方です。
◇息長帯比売命(おきながたらしひめのみこと)/神功皇后
第14代天皇(仲哀天皇)の皇后様で、誉田別命(応神天皇)のお母様です。
ご神託を受けて、誉田別命をお腹に宿したまま朝鮮半島に遠征され、帰国後出産されたと伝えられています。
兵乱がおさまると誉田別命を皇太子に立てて自ら摂政となられ、百歳の長寿を全うされました。
◇玉依比売命(たまよりひめのみこと)
初代天皇(神武天皇)の母神様で、海神である大綿津見神(おおわたつみのかみ)の娘神様で、豊玉姫命の妹神様です。
事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)ご由緒

創建年代は不詳ですが、(第13代)成務天皇の頃との記録があります。
大同2年(807年)、坂上田村麻呂が勅命を奉じて、当社を再興したと伝わっています。
それまでは本宮山にお祀りされていましたが、この年に本宮山より今の地(里宮)に遷座されたようです。
現在も本宮山では、小さな祠でお祀りされています。
平安時代、清少納言が書いた「枕草子」の中に「ことのまま明神いとたのもし」と書かれた項があります。
平安時代には、「ことのままの神」が都にまで伝わっていたとわかります。
ことのままの神は、「願い事のままにかなえてくださる神」として伝わっていたようです。
事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)見どころ

事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)は、「願い事が言葉の通りに叶う」とされる特別な神社です。
神秘的な雰囲気があり、特に本宮(奥宮)や境内の大楠は強いエネルギーを感じられる場所とされ、御神木に触れることで癒しを得ることができるとも言われています。
主なご利益としては、金運向上や恋愛成就などの願掛け、さらに商売繁盛や学業成就といった現代の生活に関連する願いも叶うとされ、多岐にわたるご利益を求めて多くの参拝者が訪れます。
特に、受験や就職活動、事業の成功を願い、人生の重要な転機を迎える際にこの神社を訪れる人々の姿が見受けられます。
南口鳥居からの本殿境内の様子

思わず深呼吸をしたくなるような、清らかな空気が満ち、大楠をはじめ、たくさんの緑に包まれています。
大楠の巨大なコブ

鳥居をくぐり抜けた先でまず目を引くのは、天然記念物の大楠の木。
高さ31メートル、根回り19.3メートルの大迫力で、樹齢600年にものぼると伝えられています。
この大楠の木には、幹の部分に巨大なコブがあります。
このコブの形状がまるで人間の耳のように見えるため、「神様が御神木の楠の耳を通して人々の言葉を聞いている」といわれています。
後ろに回ると、幹に近付いて触れられるようになっていますので、ぜひ手を当ててみてくださいね。
木のそばに立つと守られているような安心感を感じることができます。
本殿

鳥居をくぐって手水舎で身を清め、石段を登ると正面に拝殿があります。
あなたのお願い事はなんでしょう。
筆者は毎回おなじ・・・「家族の幸せと健康」「世界平和」

大杉の圧倒的な存在感に魅了される
本殿の右奥に立つ大杉は、樹齢千年以上といわれるご神木です。
高さ35.6メートル、根回り11.2メートルの大樹で坂上田村麻呂が植樹したと伝えられ、県の天然記念物にも指定されています。
大杉の前に祈願ろうそくを立ててお祈りすると、願い事が天に届くとされ、生命力を感じられるパワースポットです。
夫婦杉

かつて本殿の傍には、根元が繋がっている夫婦杉のご神木がありましたが、平成30年の台風24号が直撃した際、暴風に巻き込まれ倒木しました。
現在でも根株はそのまま残されています。

また、夫婦杉の一部を包んだ御守り「つなぐ守」は、縁結びのご利益があると大評判です。
本宮(奥宮)めずらしいお参り方法

事任八幡宮(ことのまま八幡宮)の境内に入ったら、まずは社務所に立ち寄ります。
お参りの説明が掲示されていますので、こちらを読んでから白い紙(開運ふくのかみ)を1枚いただきます。
本宮は少し離れた場所にあり、本殿と本宮の間に道路が通っていますので、朱色の歩道橋を渡り本宮まで行きます。

歩道橋から階段を降り、少し歩くと本宮入り口があります。

ここからは鳥居をくぐり、奥へと進み、272段の石段を登っていきます。

中間地点あたりで、筆者の脚はプルプルしました。
体力の衰えを痛感。

心拍数がかなり上がりましたよ。
お休み処を見つけ、5分ほどボーっと休憩。
よし!あと半分進みます。

272段の石段をそれほど大変と思わず、呑気に登り始めたのですが、ご覧の通りの急勾配。
思った以上にキツかったです。

ようやく鳥居が見えた時はホッとしました。
「ここに、ことのままの神様がお祀りされているのね。」
思ったより小さく、かわいらしいお社です。

宮の周囲に白い小石が敷き詰められています。
お参り方法が丁寧に書かれた緑色のファイルが置かれているので参考になさってください。

本宮のお社の周りには白い石がたくさんありますので、3つ選んで願い事を心の中で言葉に出しながら、ふくのかみで磨きます。
最初の石は神様のため、二つめの石はみんなのため、三つめの石は自分のため
こころを込めて磨きます。
ふくのかみを持ってこなかった場合は、持っている布や紙を使ってもかまわないそうです。

ふくのかみは、持って帰って水洗いし、自宅の玄関などを掃除するといいそうです。
筆者も帰宅後、下駄箱の上を拭きました。

「福」を家にお招きし処分します。
自宅へ持ち帰らず、社務所へ納める事もできますよ。
小さなことを大切にする心のあり様が、大きな願い事の成就に繋がるのでしょうね。
事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)交通案内

【鎮座地】〒436-0004 静岡県掛川市八坂642
【連絡先】電話:0537-27-1690 FAX:0537-27-0596
【自動車の場合】 | |
掛川バイパス(浜松方面から北上) | 八坂インターチェンジから北へ約1km |
日坂バイパス(静岡方面から南下) | 日坂インターチェンジから南へ約1.5km |
東名高速 | 掛川インターチェンジより8.3km15分 |
新東名高速 島田金谷インターチェンジより | 日坂バイパス経由12km17分 |
富士山静岡空港から | 車で13km17分 |
※駐車場約50台
【電車の場合】 | JR掛川駅より約8Km |
掛川駅よりタクシー | 15分 |
掛川バスサービス:東山線にて八幡宮前下車 | 20分(約2時間に1本と本数が限られていますので時刻は要確認) |
※掛川バスサービス(0537-24-7331)
2025年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

「言葉にした願いがそのまま叶う」と伝えられる事任八幡宮(ことのまま八幡宮)で参拝すれば、己等乃麻知比売命(ことのまちひめのみこと)のご加護が大きな支えになることでしょう。
本記事を参考にして珍しいお参りの仕方の事任八幡宮(ことのまま八幡宮)まで足を運んでみてくださいね。